「調の揺らぎ」と日本和声で何ができるのか、簡単にまとめたフレーズを作ってみました。演歌とはかけ離れた、地球の裏側、南アメリカのサルサのリズムを用いています。
調の揺らぎ
このフレーズは四小節ごとに民謡のモード、都節のモード、律のモード、琉球のモードと変化して行きます。セカンダリードミナントなどで明確に転調せずとも、メロディの区切りで調を切り替えることができるということが調の揺らぎの特徴です。
ペンタトニックスケール以外の音を使う
日本のメロディは中心音の異なる二音・三音のモードの組み合わせでできています。組み合わせた結果、ペンタトニックスケールにならなくても大丈夫。中心音への求心力さえ失われなければ、ちゃんと和風に聴こえます。いろいろな組み合わせを試してみましょう。
モード和音は複数の「機能」を持っている
上行形のモードに顕著ですが、モード和音はそれ自体でV-Iの働きを含んでいます。転回などの方法によって、モード和音のIの「機能」を強調したり、Vの「機能」を強調したりすることができます。例の1~4小節目、13~16小節目では左手パートにvを中心音とするモード和声を追加して、Vの「機能」をさらに強調するとともに響きの豊かさを出しています。
まとめ
日本和声は機能和声と同じように使うことができ、まだ探求しつくされていない使い方がたくさんあると思います。個性を出すのに役立つ使い方を研究してみましょう。