Official髭男dismの「Pretender」のサビ部分に日本和声をつけてみました。西洋和声との親和性を重視したため、日本的な響きは強調されていませんが、よく聴くと二小節目や六・七小節目の伴奏に日本的なメロディの動きを確認することができます。
調の揺らぎの分析
まずはメロディの機能和声分析を行います。下記動画のメロディだけに注目して聴いてください。ここから分かるのは以下の二点です。
モード和声付け
機能和声の分析が終わったら、その機能とメロディのモード的な動きを上手く調和させながらモード和声をつけます。 この曲では中心音をバスにし、複合和音を積極的に利用することで、機能和声への親和性を高めています。
アウフタクト部分は原曲ではGなので、対応する第一モードの和音、1,Gをつけました。
二小節目、原曲ではCなので、対応する第三モードの複合和音、3,D on Cをつけました。
三小節目は四小節目のAminへの揺らぎを模倣するため、短調の響きに似た和音をつけています。
四小節目はより短調に近づけるため、第二モードの和音を使用しています。
五小節目は原曲六小節目のFM7を第四モードととらえ、第四モードに転調してゆきます。後半のR和音は原曲のC7に似た響きを持っていますが減四を解決してしまうと機能和声の響きと一致してしまうため、六小節目にEを残しています。
九小節目の準固有和音の借用は3,Gを陰旋化した、2,Gをつけています。
まとめ
日本和声は機能和声に自然に溶け込ませることが可能です。メロディの動きやバスの配置によって日本和声の響きに近づけることもできますので、いろいろと工夫してみると良いでしょう。