米津玄師さんの「馬と鹿」のサビ部分にモード和声をつけてみましょう。
調の揺らぎの分析
まずはメロディの機能和声分析を行います。下記動画のメロディだけに注目して聴いてください。ここからわかるのは以下の三点です。
モード和声付け
機能和声の分析が終わったら、その機能とメロディのモード的な動きをうまく調和させながらモード和声をつけます。
アウフタクトから二小節目のVには3,Aをつけました。複合和音にするとVによく似ているからです。
二小節目の冒頭に1,D(2)があります。これはメロディのC-Dの動きを二音のモードと解釈したからです。
三小節目は機能和声ではIにあたる部分ですので、3,Dをつけました。複合和音にするとIによく似ています。
三小節目後半は旋律短音階のF#が出てきます。ここはダブルドミナントと似た3,Eをつけました。
四小節目から平行短調に揺らいでいきますが、日本和声では第二モードへの揺らぎと解釈し、M和音をつけました。
四小節目後半は平行短調のVです。導音のG#とぶつからない1,Eをつけました。これは1,Aに対するVなので「機能」的にも一致しています。
五小節目は2,Bをつけました。2,Bは複合和音にするとAm add9と一致し、機能的な親和性が高い和音です。
五小節目後半はM,F#をつけました。六小節目がVなのでスムーズにつながるようにD調のM和音を使用しています。
六・七小節目は二・三小節目と同じです。
八小節目は第四モードを使うことにより、気分転換を図っています。短いのであまり沖縄っぽさは感じないかもしれません。
十小節目からのブルーノートは原曲では飾りに過ぎませんが、同主複極調のような揺らぎを取入れました。E♭-B♭-Cのコード進行を模倣したモード和音をつけています。
最後の小節に飾りのアルペジオを入れました。最後の和音が3,D、つまり第三モードなので、それに合わせて下降する音型にしてあります。
まとめ
機能和声のそれぞれの和音に対応するモード和声があることが理解いただけたでしょうか。このサンプルのようにすべてをモード和声でリハーモナイズせず、部分的に機能和声をモード和声に置き換えて日本的な雰囲気を取り入れることも可能でしょう。
